Androidトーク・セッションを聴講しました
米Google Inc.が開発した携帯機器向けのソフトウエア・プラットフォーム「Android」。オープンソースで提供されるこのプラットフォームは,携帯機器メーカー,通信事業者,アプリケーション開発者など多くの関係者に新たな市場機会をもたらすとして注目されています。
既に2008年秋,Androidを採用した初の携帯電話機「T-Mobile G1」が米国で発売されていますが,今後はAndroidを採用した機器が日本市場においても続々と登場することが予想されます。その種類も携帯電話機にとどまらず,さまざまな携帯機器の開発に利用されていくことでしょう。
日経エレクトロニクスは今回,Google社がAndroid登場の意味やインパクトについて語る無料イベントを開催します。米本社からAndroidの技術部門幹部を招き,Androidに対する熱い想いを語っていただきます。この機会を,ぜひお見逃しなく!
昨日、Android トーク・セッションを聴講してきました。Googleの方のまとまった話を聞く機会がなかったので、とても参考になりました。
以下、簡単なメモです。機器間違えなどあったら、ご容赦ください。
2008年に世界のモバイル環境が立ち上がってきた三つの理由
データ定額制のプランを採用したキャリアからの検索数のグラフが紹介された。この数値からも、データ定額制がモバイルアクセスを促していることがわかる。
ウェッブアプリケーションかモバイルアプリケーションか?
HTML5のDatabase機能や、Application Chacheの機能で、よりリッチなアプリが組めるようになってくる。選択が難しくなってきている。
三つの視点
ユーザー、開発者、企業の視点がある。
それぞれの視点でのオープン性を考える必要がある。
オープン性
長いスパンの成長のためには、オープンが必要。
そのためには、エコシステムが必要になる。いろいろなパワーのバランスができて、エコシステムが回ると、イノベーションがおきる。
日本のケータイには、部分的にではあるが、オープンな部分があったので、ここまで成長してきた。
イノベーションが起きると、何千人規模の開発者がいる企業の製品を、数人の企業が追い越すことがある。
開発者からみたオープン性の中には、APIを使うのにわざわざ誰かに断ることがないことや、アプリケーションを自由に配布できる環境などがある。現在のAndroidマーケットも、開発者が自由に登録できる。$25は、スパム対策だと思って欲しい。
デスクトップと、携帯電話のなにが違うのか?
- 携帯電話は、耳(電話)、目(カメラ)、触覚(タッチインタフェース)、位置情報を持っている
なぜ、Andoirdなのか?
Androidには、オープン性を含めたイノベーションの要素がそろっている。
いまや、AndroidはGoogleのものではなく、オープンソースコミュニティのものである。いろいろなところが貢献して、育てていく必要がある。
感想
正直なところ、無料のセミナーということで内容的はまったく期待していなかったのですが、なかなかよい内容だったと思います。
それは、自分が普段Androidに期待していることを、きちんと言葉にして伝えてくれたからなのかも知れません。ただ、目新しい内容はほとんどなかったと思うので、聞く人によっては違う感じ方をしているとは思いますが…。
一点だけ引っかかったのは、Androidの品質について聞かれたときの答え方でした。GoogleがAndroidの品質向上にもっと貢献するべきではないか?と聞かれたときに、「ただのランチに文句をいうな!」という冗談で答えていました。
これは、ちょっと、僕には冗談に聞こえなかったので、かなり違和感がありました。たぶん、「There is no free lunch.」のもじりだとは思うのですが、もじり方が違うような気がします。だって、Androidは、「free lunch」じゃないよね? 少なくとも、僕は、オープンソースに関しても、「There is no free lunch.」だと感じています。