検索エンジンはなぜ見つけるのか

検索エンジンはなぜ見つけるのか

検索エンジンはなぜ見つけるのか

検索エンジンはなぜ見つけるのか」という本を献本していただいたので、早速読まさせていただきました。
すでに、生活の一部と化している検索エンジンの基本を、ともて身近な例を使って説明されています。

冒頭で記憶に残ったのは「検索エンジンが、実はどんなしくみで動いているのか、疑問を持つ方は少なくないと思われます」という言葉でした。
確かにそういわれるとかなり興味のある話題なのですが、すでに空気のような存在になっている検索エンジンなので、疑問を持つ事を忘れてしまっていたなぁというのが僕の感想でした。

そういった観点で読み進めてみると、この本は、検索エンジンに対する興味をたくさん刺激してくれる本です。

内容的には、以下のような構成になっています。

  • 第1章 検索エンジンの目指すもの: 利用者の情報要求に対して、ウィブ上の情報資源のなかから最善の情報を見つけ出してくる
  • 第2章 集める: クローラの役割と課題(分類問題、学習)
  • 第3章 整理する: 「最低のコスト」で高速に検索を実行する(検索対象文書量とスループット
  • 第4章 検索する: 利用者に「最善の検索結果」を返す(スコア、パーソナライゼーション、リコメンデーション)

各章で、図書館や出雲の国の神々などの比喩を使用することで、とてもイメージしやすい形で技術の説明があります。

エンジニアという観点でみると3章のアルゴリズム的な部分はとても面白く感じましたが、今後の可能性という意味では、やはり、4章の「検索する」という部分が一番興味深いです。ウェブページのスコアが「非ゼロサムゲーム」であり「囚人のジレンマ」が発生することや、「多義語、類義語」の問題、パーソナライゼーション、リコメンデーションの課題など、こらからの技術の方向性を考えさせられる内容です。

また、この本のもう一つの魅力は脚注にあると思います。最後まで読み終わった後に脚注だけを追ってみると、また新たな興味がわいてきます。
かなり短時間で読める本ですが、細かく読むことで色々な発見ができる本だなぁと感じました。