[Android] Androidを採用すると本当にコストは減るの?

AndroidのようなオープンOSを採用すれば端末開発のコストが減るのでは。

 確かにコストは減るが,継続的なメンテナンスについて誰がどう保証するかという問題が不透明だ。Androidが完全に信頼できるものなら問題ないが,収益なしてフリーで配布するものに対しては,米グーグルもしっかりバックアップできないのではないか。NTTドコモなどが後押しするLiMoならまだ安心感があるが,Androidはよく読めない。もちろん,敬遠しているわけではない。我々がAndroid端末に参入する可能性もある。それは,国内のどのメーカーでも同じではないか。

僕としては、Androidを採用したからと言って、トータルのコストが下がるとは思っていない。確かに、今まで購入したものの対価をお金で払うという意味では、少なくなるかもしれない。しかし、その分のコストを、別の形で払わなければなるだけなのだと思う。それは、サポートベンダーに対するコンサルティング料かもしれないし、Googleとのアライアンスにかかるお金なのかもしれない。でも、今の時点で最も大きなコストは、技術者の熱意で払う部分なのではないかと思っている。今まで、一人の技術者の熱意(費やした時間)は、直接的に属している組織を通して社会に還元されていたので、会社とすると見積もりやすかったかもしれない。でも、Androidを採用するということは、それをサポートする技術者の時間を対価として払わなければならないということなのだと思う。もしかすると、それを払っているのは、自分の会社の技術者ではないかもしれないし、その払い先は、コミュニティという実態のないところに対してなのかもしれないのだけれど…。なので、あまりコストの話ではなく、この後にでてくる、「ユーザーにどんな新しい価値を提供できるか?」とか、「そのためにはどこに投資するべきなのか?」と言ったことろこそ、議論するべきだと思う。僕は、携帯端末ではない組み込み屋だから、そこをスコープに入れていないLiMoは、今のところあまり興味はない。また、協力に後押しする企業の都合が優先されてしまうことが、ユーザーに与える価値に比較的大きな影響を与える気がしているので、あまり、後押しが強くないほうが、楽しいものができるような気がしている。