公開討論会 "だれもが使えるウェブサイト"に参加しました。

ウェブサイトにとって大切な「だれもが使える」「多くの人に使いやすい」ということ。

このことは、ウェブの利用者に利便性を提供するだけでなく、ウェブサイトを提供する企業にも有効なビジネスチャンスをもたらします。

しかし、多くの企業のウェブサイトは、使いやすさへの配慮が足りないために、ビジネスチャンスを逃しています。
シニアや障がい者、パソコンに詳しくない一般の人々がどのようにウェブを利用し、どのようなウェブを望んでいるのか。

使いやすさへの配慮がビジネスチャンスにつながるとは、どういうことか。

企業ウェブサイトのアクセシビリティで、直接的なビジネス効果を出すためには、どのように取り組めばいいか。
毎日新聞社ユニバーサロン編集長の岩下氏をモデレーターに、パネリストが本音で討論します。

このイベントは、2010年3月に向けて行われる「だれもが使えるウェブサイト」というコンテストのキックオフを兼ねたイベントです。
主催は、NPO法人ハーモニー・アイ (http://www.harmony-i.org/)で、主に視覚障害者の方などに向けた活動を行っている団体です。

討論会は、パネルディスカッション形式で行われました。モデレーターは、毎日新聞社の岩下恭士氏で、全盲の方です。パネリストは、技術評論社の馮富久氏、インプレスビジネスメディアの安田英久氏、長寿社会文化協会(WAC)の曽根清次氏、DNP映像センターの山田淳司氏でした。

 内容的には、高齢者や視覚障害者などが、現状、どのようにWebを活用しているかや、企業がのアクセシビリティの高いサイトを構築していくために、どのような視点が必要かという内容でした。約一時間強のディスカッションでしたが、あっという間に終わってしまいました。個人的には、もう少しテーマを絞っても良かったかもしれないと感じました。

 内容も興味深かったのですが、今回のイベントの取り組みで面白かったのは、Twitterを使って取り組みがあったことです。つぶやきいた内容が、リアルタイムに会場内のパネルに表示されていました。これによって、完全ではないにしろ、聴覚障害者のために補助的な情報補間の役割にしようというものです。イベント自身もUstream(ユーストリーム)で流されていたので、外部からもつぶやきが入るなど、とても面白い現象が起こっていたように思います。

 僕自身もかなりつぶやいたのですが、つぶやき方の難しさを2点感じました。ひとつは、アクセシビリティ関連の知識が浅いため、間違えた理解で、つぶやいていないのかという不安です。二つ目は、誤解を招くような表現をしていないかという不安です。
 ただ、この二つの不安は、Twitterというシステム自身がもつ特質のような気がしています。人間のつぶやきというのは、直感や感覚に近い部分なので、「正し情報」という側面よりも、「人の感覚を伝える」という側面が強いものなのです。その意味では、会場からのTwitterのつぶやきは、「字幕の代わり」というよりも、「会場の雰囲気を伝える」という側面のほうが強いのではないかと感じました。それは、会場に来ている人たちの驚きや溜息を、UStreamで見ている人や、後で概要を見た人に伝えられるということです。面白いですね。