[iPad][Android] ハードウェアとサービスのひも付け

実は、iPod、特にiPhoneのビジネスモデルは、エコカーによく似ている。ガソリン価格の上昇を受けて、燃費効率のよいハイブリッドカーの購入を検討するユーザーは増えた。だが実は、ハイブリッドカー本体の値段は、ハイブリッドカーによって節約できる燃料代を上回っていることが多い。

 iPod投入当時、音楽のオンライン配信は、「無料の違法コンテンツ」と「高価で品揃えが少ない公式配信コンテンツ」に二分されていた。そこにiTunesは利ざやを大幅に圧縮し、競合力のある配信サービスを提供することで、利用者とコンテンツの品揃えの両方を爆発的に拡大していったのである。そしてそれが可能だったのは、EMSによって安くハードウェアを作る体制を確立し、ハードウェア販売で大きな利ざやを稼げる仕組みが用意されていたからである。

 結果、サービスとひも付けられないMP3プレイヤーは伸び悩んだ。音楽レーベルを傘下に持つSONYなどは、既存流通に対する配慮から、配信コンテンツの価格や品揃えにおいて戦略的な新機軸を打ち出すことはできず、せいぜい日本市場でiTunesに嫌がらせをすることぐらいしかできないでいたのである。

この記事の分析は、最初に断り書きで「私のアップルに関する意見には、偏見が含まれている。」とあるように、ちょっとひねった見方をしていますが、かなりよいポイントをついているように感じました。

この記事を読んで感じたのは、iPadの価値を考えるときには、昔のMacWindowsの「ハードウェアとソフトウェア」という観点ではなく、「ハードウェアとネットワーク上のサービス」という観点が重要だということです。

この観点からすると、iPadKindleを比べるよりも、Apple StoreiPadの親和性と、KindleAmazonの親和性の差を比べるのがよい気がしてきます。僕の主観だと、現状のところ、この点では、どちらも互角だと感じています。

ちなにみ、それに比較すると、Android端末とAndroid Marketの親和性は、残念ながら、かなり低いです。まだまだ先は長いなぁと感じる日本Androidの会の幹事でした…