クラウドコンピューティングの経済学:意思決定者のための概要

"The Economics of Cloud Computing: An Overview for Decision Makers" 概略訳 *1

本書は、企業内の意思決定者に対して、クラウドコンピューティングという新しいパラダイムに効率的に移行するための洞察力と実践的なツールを提供します。シスコのBill Williamsが、なぜ、企業が考えていた情報テクノロジーの多くがここ5年間の間に非常に大きく変化してしまったのかということを説明します。そして、エグゼクティブに対して、近い将来に起きる急激な新しい環境に適応するための事前準備を手助けします。本書では、ストレージ、計算能力、ネットワークプラットフォーム、そして、クラウドコンピューティングによって出現した関連技術を簡単に説明し、それらを採用したときのコストカーブを分析し、標準的な業界の基準と対比します。自前やリースでハードウェアを調達した場合と、クラウドベースのリソースを使用した場合のインパクトを計算するために、最新のROI( return-on-investment)とNPV(net present value)を使用して説明します。ソフトウェアのライセンシング、災害時の復旧、高可用性、容量計画の説明は、クラウドコンピューティングの将来的な経済的効果を考える上での追加の考察事項となります。「クラウドコンピューティングの経済学」は、成功するクラウドコンピューティングへの移行のステップを考察し、クラウド環境のITパフォーマンスを考慮して、予測可能で反復可能なプロセスの概要を説明します。読者は、テーブルやグラフで内容を簡単に把握だけでなく、クラウドサービスへ移行するためのテンプレートやガイドを利用することができます。これらの最新のツールは、本書のWebサイトからもダウンロードして利用することができます。

参考データ

The Economics of Cloud Computing: An Overview For Decision Makers (Network Business)

The Economics of Cloud Computing: An Overview For Decision Makers (Network Business)

  • The Economics of Cloud Computing: An Overview for Decision Makers
      • By: Bill Williams
      • Publisher: Cisco Press
      • Last Updated: 19-MAY-2012
      • Pub. Date: June 29, 2012 (Estimated)
      • Print ISBN-10: 1-58714-306-2
      • Print ISBN-13: 978-1-58714-306-9

コメント

概要でも触れられているように、クラウドコンピューティングへの移行が急激に進んでいます。この本では、経済的な側面からこれを分析しようとしているように見えます。個人的には、こういった数値は説明のためには有用ですが、リアルな仕事のやり方を変えるなにかを説明できないような気がしています。このあたりは、実際に「仕事」をしている人の直感的な感覚で動いて、その動きを説明するためにこういった分析があるのではないかと感じています。ただ、そういった側面をふまえて、このような本をきちんと理解することも必要だと思います。

*1:このOverviewは、Safari Books Onlineの対応する書籍のOverviewを概略で翻訳したものです。省略や意訳もありますので、詳細はオリジナルページを参照してください