うそつきとよそもの:社会を持続するための信頼

"Liars and Outliers: Enabling the Trust That Society Needs to Thrive" 概略訳 *1

世の中のすべての人を信じられなければ、社会機能はどうなるでしょうか?
信頼について考えるとき、普通は個人的な関係や、銀行の金庫を思い浮かべるでしょう。しかし、それでは考えが狭すぎます。信頼はより広範囲で、より重要な事柄です。信頼なしでは、社会は成り立ちません。それは、コミュニティ、ビジネス、民主主義など、すべてのことの基礎なのです。
楽しくて洞察に富んだ本書は、人々がどのように信頼を生み出すのかを社会学、生物学のアイデアを交えてまとめています。また、社会的な状況、コミュニティ、組織、国、世界における信頼が、なぜ、機能したり失われたりするのかを示します。
今日の過度に結合した社会では、信頼のメカニズムを理解する事は、一世紀前に電気の原理を理解するのと同じくらい重要なことです。信頼とセキュリティは、企業の社会的責任、地球温暖化、絶滅寸前の現代の政治システムなど、さまざまな分野でとても重要な問題となっています。「うそつきとよそもの」を読んだ後では、おおかれすくなかれ、社会的な問題を違った視点で考えるようになるでしょう。

参考データ

Liars and Outliers: Enabling the Trust that Society Needs to Thrive

Liars and Outliers: Enabling the Trust that Society Needs to Thrive

  • Liars and Outliers: Enabling the Trust That Society Needs to Thrive
      • By: Bruce Schneier
      • Publisher: John Wiley & Sons
      • Pub. Date: February 14, 2012
      • Print ISBN: 978-1-118-14330-8
      • Web ISBN: 1-118-14330-2
      • Pages in Print Edition: 384

コメント

セキュリティ関連のシステムについて考えていると、最終的には、どこを「信頼」の出発点にするのかという問題につきあたります。結局のところ、自分以外、あるいは、自分自身も信頼できないというあたりまでいくと哲学的な問題となってしまうので、社会的なシステムで「信頼」を作るという必要があるのだと思います。
最近、「信頼」について考える事が多いので、この本を選んでみましたが、技術書ではないので、読むには、いつもとすこし違ったボキャブラリーが必要そうな感じです。

*1:このOverviewは、Safari Books Onlineの対応する書籍のOverviewを概略で翻訳したものです。省略や意訳もありますので、詳細はオリジナルページを参照してください