機敏な像

"The Nimble Elephant: Agile Delivery of Data Models using a Pattern-based Approach" 概略訳 *1

「うまくやる、と、すばやくやる」一見、反対に見えますが、実は対になった要求です。データアーキテクトは、挑戦的なタイムフレームの中で、素早くデータモデルを作り上げることが要求されています。また、アジェイルデベロッパーは組織全体のデータという資産上で、簡単にソリューションを提供できるようにすることを要求されています。厳しいスケジュールの中で高品質のソリューションを達成する必要があるのならば、「機敏な像」が実際に使える技術を解説します。公開済みのデータモデルパターンのライブラリを使用したこの技術を使う事で、ロバストで拡張性に優れた設計を素早く組み立てることができます。それぞれの状況に応じて適用できる知識のガイドラインを3つの章で解説します。

最初の章では、データ機敏性の基本を紹介します。これは、「アジャイル」実践者と「データ」の間のいくつかの認識されている摩擦を解決します。この差異を解決するための出発点として、パターンレベルの粒度を分類し、それらの間の相互関係を確認します。モデルの色々な型の関連(例えば、概念的/論理的/物理的、業界/企業/プロジェクトなど)を確立することで、それぞれのデータの型ごとにどのようにパターンをカスタマイズすればよいかを学びます。

2番目の章は、データ機敏性に向けたステップです。データの特化と般化のガイドラインと、それをやりすぎることの危険性について解説します。設計上意図されている目的にとらわれずにパターンを使って創造性を発揮することが推奨されます。短期間の方針である「それは必要にはならい(You Ain't Gonna Need It" (YAGNI))」と、長期間の戦略であるアーキテクトの考え方を比較、評価します。潜在的エンタープライズの視点上で、プロジェクト固有のデータモデルを提供することを考慮しなければなりません。その他の項目として、業界毎のモデル、イテレーティブなモデリング、なにも存在しないところから作り出すパターン、データルールのパターンなどを紹介します。

最後の章では、オブジェクト指向の世界への架け橋を紹介します。この架け橋は、オブジェクト指向開発者のスキルを積極的に高めることでとり得るオプションの幅を広げたいと考える、伝統的なデーターモデラーの進むべき道です。

参考データ

The Nimble Elephant: Agile Delivery of Data Models Using a Pattern-Based Approach

The Nimble Elephant: Agile Delivery of Data Models Using a Pattern-Based Approach

  • The Nimble Elephant: Agile Delivery of Data Models using a Pattern-based Approach
      • By: John Giles
      • Publisher: Technics Publications
      • Pub. Date: April 15, 2012
      • Print ISBN-13: 978-1-93550-425-2
      • Pages in Print Edition: 254

コメント

「機敏な像」というタイトルが、エンタープライズ上に存在する膨大なデータがぴったりとマッチしていて、ぜひ、読みたくなる本だと感じました。概要にある、「短期間の方針である「それは必要にはならい(You Ain't Gonna Need It" (YAGNI))」と、長期間の戦略であるアーキテクトの考え方を比較、評価します。」という部分が、なにか、ともて魅力的に聞こえすが、表題にある「機敏な像」が存在しないように、「そんなものはない」という結論に落ち着きそうな予感もしています。

*1:このOverviewは、Safari Books Onlineの対応する書籍のOverviewを概略で翻訳したものです。省略や意訳もありますので、詳細はオリジナルページを参照してください